猫が死んだ日の仕事

大好きな猫

我が家の猫、マロです。

お客様からペットロスについて様々な相談を受けますので、今日は我が家のマロが亡くなった日の事をお話しします。

三浅俊幸

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マロは病気が見つかってから2か月で旅立ちました。

あっという間でした。

この写真を撮った翌朝、マロは急に歩けなくなり、よたよたとした足取りで棚の一番下(いつもいるところ)に行って横になりました。

ちょっと体を起こした様子がいつもと違い、支えてやるとグタっと倒れるようになり、すぐに猫用のベッドを用意して寝かせてやりました。

そこで少し落ち着きましたが、もう、あと数時間かなという事は直感で分かりました。

私は出勤しました。

私と同様、ペットを亡くされたお客様が待っているからです。

遅番だった妻からLINEが入ってきます。

息が浅くなってると。

私は気が気ではありませんでした。

お客様からメールや電話で問い合わせを受けても頭に入ってきません。

やっとの思いで対応していました。

事情を話して仕事をスタッフに頼み、帰宅するとマロはもう寝ていました。

息はしていませんでした。

私はマロに謝りました。

そしてお礼を言い、よく頑張ったと言ってやりました。

死期が迫っている事はスタッフにも話していたので、

「仕事なんかしていないですぐに帰るように」

と言ってくれました。

こんな恵まれた環境なのは、やはりペットのオーダーグッズを作る工場だからだと思います。

普通の仕事なら、たぶん帰れないかもしれません。

又は、何か嘘を言って帰宅していたかもしれません。

しかし後ろめたさは残るでしょう。

マロを涼しい部屋に寝かせ、午後から出勤しました。

午後からはなんとか動くことが出来ました。

午後からも、ペットを亡くした人からメモリアルグッズの注文が来ました。

私が辛いからと言って、休むわけにはいきません。

むしろ、いつも以上に親身になった対応が出来たと思います。

ウチの猫が死んだその日、ペットを亡くしたお客様の相談を受ける。

とても辛い事なのに、お客様からお礼を言われ、また一人ペットロスのお客様を支えてあげられたかな、と思うと、やっぱりこの仕事は大事にしなきゃいけないと心から思う事が出来ました。

ペットとの別れは猛烈な辛さを引き起こします。

しかし、なぜかどこかで幸せも連れてきてくれます。

その幸せは今までの思い出だったり、新しいご縁だったりします。

彼らが最後にくれるプレゼントかもしれません。

抱きしめるクッション

マロちゃんと僕

今はクッションを抱いて生活しています。

本当は、息を引き取る瞬間に一緒にいてあげたかった。

仕事を休んだ方が良かったのか、後悔はあります。

でも、マロなら

「自分は良いから、仕事に行って、ペットロスの人の相談に乗ってあげて」

と言ったでしょう。

マロはそういう子です。

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