ファンデルワンのペットロス相談。
今回のテーマは
『ペットを死なせたという罪悪感』
についての相談です。
自分を責める日々。
永遠に続きそうな後悔。
私も皆さんと同じような経験があります。
そして今でも悩み続けています。
そんな私が相談を受け、お話しを聞く資格があるのかと悩むこともあります。
でも毎日のように相談したいというメールが届きます。
そんな皆さんの話を聞きながら、私は糸を編み、ペット達の思い出を形にしてお届けしてます。
カウンセラーでも精神科医でもない私は答えを出すことは出来ません。
でも、お話ししているうちにお客様は少し元気になって下さるようです。
後悔しているのは愛していた証。
あなたの愛はきっとペット達に届いていると思います。
注文の時には是非お話しをお聞かせ下さい。
ペット達からの贈り物という気持ちで作品作りをしています。
糸を編んで作るペットオーダーグッズ
作品が届く頃には元気になる人も沢山いらっしゃいます。
後悔している人たちの存在
ファンデルワンの三浅です。
このように皆様の相談にのりつつ、作品作りをしています。
私に相談することで悲しみが少しでも癒されるならと思っています。
ペットロスが長引いている方の中には、何らかの後悔が残っている人が多いようです。
もっと何かしてあげられたのではないか。
病気に気付いてあげられなかった自分に責任がある。
このように悩んでいる人も多いでしょう。
ファンデルワンにも同じような相談が寄せられています。
ある人は言います。
別人はこう言います。
同じ悩みで苦しんでいる人がたくさんいて、私もその一人です。
私は毎日その相談に乗っていますが、良い答えは見つかりません。
しかし当店のお客様にはその後悔から立ち直った人が沢山います。
お客様の言葉や体験談を参考に、後悔から立ち直る方法を探っていきましょう。
今回は
- 後悔していた理由
- 後悔しない為に生前できた事
- 立ち直ったきっかけ
- メモリアルグッズが教えてくれたこと
について考えてみましょう。
ニット作家がお届けします。
ペットの思い出ニット
後悔や罪悪感の理由
まずは後悔や罪悪感を持っている人には理由があると思います。
辛いかもしれませんがその理由を思い出してみて下さい。
立ち直るための第一歩になると思います。
病気に気付けなかった人
お客様から伺うお話の中で、ペットの病気に気付けなかった事を悔やんでいる人がもっとも多いようです。
実は私も猫の病気に気付けなかった事があります。
トイレの回数が多いのと排尿の時間が長い時があったのでちょっと気になってはいたのですが、毎日の事ではなかったのでその時もすぐに治ると思っていました。
また当時の私には病気の知識もありませんでした。
しかしある日、血尿が出ました。
旅行に行く日の早朝だったのですが全てキャンセルして病院に行きました。
幸い大事には至りませんでしたが尿路結石という病気で、発見が遅くなれば命を落とす可能性もあったそうです。
そのまま気づかずに出かけていたら大きな後悔につながったでしょうし、その可能性はごく身近にあると感じました。
その数年後、その猫は別の病気で亡くなりました。
もっと早く気づいてあげれば・・・という気持ちが残ります。
猫の病気についてはこちらをご覧ください。
突然の事故で亡くした人
突然の事故で多いのは、交通事故だそうです。
車の事故に気をつけなければならないのはペットに限らず人間でも同じです。
交通事故のほかには、散歩中の拾い食い、おもちゃや異物などの誤飲、車内の熱中症などがあるそうです。
事故の時にはご自身を責める気持ちも分かりますし、私もその時には同じように感じるでしょう。
事故はいつどこで起きるか分かりません。どれだけ気をつけていても、あっという間に起きてしまいます。
最期を看取れなかった
ある老犬を飼っていたお客様。
もう死期が近い事は分かっていたので覚悟は出来ていたそうです。
最期は絶対に一緒にいてあげたいと思っていたそうですが、ちょっと出かけていた数時間の間にワンちゃんは亡くなったそうです。
そんなお客様は1人ではありません。
私は思うのですが、ペット達は飼い主様がいなくなったのを確認して、旅立っていくのかもしれません。
一緒にいる時は元気も出て、頑張って生きているかもしれません。
いなくなった時に「ちょっと寝ようかな」と思って、そのまま起きれなくなるのかもしれません。
最期を看取れなかった事は、ペット達からの愛のメッセージだと私は思っています。
関連記事:様態が急変したペットを病院に預け、入院させた夜に亡くなるペット達
形見を処分してしまった
私は愛犬の形見になる物を処分してしまいました。
今思うと、リードや首輪などは残しておけば良かったと後悔しています。
その他、毛や爪などを使ってメモリアルグッズを作ることも出来ますが、我が家の愛犬の形見は何も残っていません。今思うと少し残念です。
参考記事:ペットの遺品整理の仕方、残す物と処分する物の分け方
葬儀の後悔
意外と見落としがちですが、ちゃんとお別れを出来ていない場合もあるようです。
葬儀の際に「○○をしておけば良かった」と思う事はありませんか?
棺にお手紙を入れてあげれば…
大好きだったおもちゃを入れてあげれば…
又は仕事などで葬儀に立ち会えなかったと言う方もいらっしゃいます。
そんな場合は今からでも遅くありませんので、ちゃんとお別れを伝えてみませんか?
遺骨やお墓に手を合わせ、今の気持ちを伝えてあげてください。
きっと気持ちは届くと思います。
ひざ掛けの箱を開け、我が子と目が合ったとたん涙があふれて止まりませんでした。夫に、それだけ涙が出るほど愛して、頑張ったんだから、もう後悔は止めよう。と言われ、そしてまた更に泣いてしまい…
夫の前で泣くなんて初めてで、前向きな気持ちで泣けた気がして、本当に救われました。
後悔しないために、生前できた事は何かあった?
それでは、自分の後悔の理由を整理したところで、後悔しないために生前に出来たことはあったかどうか考えてみて下さい。
私はたぶん何をやっても後悔は残ると思います。
どれだけ気をつけても事故が起きる可能性はありますし、全ての病気を見抜くのも難しい事です。
正しかった選択は何?
我が家の愛犬ムックは骨肉腫にかかり、1年余りの闘病の末に天国へいきました。
その一年は主に兄が世話をしていたのですが、良いといわれることは全て試しました。
良い薬があると聞けば獣医さんと相談し、体に良い湧き水があると聞けば車で数時間かけて水汲みに何度も通い、余命3ヶ月と言われたときから1年以上生きてくれました。
それでも別れの時は辛く、もっと何か出来たかもしれないという気持ちは残ります。
しかし少し気持ちが落ち着いたころ、別の後悔が生まれました。
それは、もっと早く楽にさせてあげたほうが良かったのではないか、という後悔です。
治療を続けても、途中でやめても、どちらを選択していても辛さが残るのです。
ある程度のところで自分を許し、そしてペット達にも許してもらうことも大切だと思います。
参考記事:ペットの延命治療をしないという選択
事故で亡くした場合
事故はいつでも、誰にでも起きる可能性があります。そこに責任を感じるのは仕方のない事であり、誰もが後悔するでしょう。しかし、それを理由に苦しむのは悲しいし、もったいないと思います。
ペットの事故を防ぐのはとても難しいです。
プロのドッグトレーナーならしつけもしっかりしているかもしれません。
しかし、全員がプロにしつけてもらっているわけではありません。
猫はしつけそのものが難しいです。
お辛いとは思いますが、十分苦しんだ後は自分を許すことも覚えて下さい。
後悔は何をしても残る
延命治療、安楽死、事故防止…
それらを完璧で正確な判断で、全て成し遂げる事は不可能だと思います。
つまり、何をしても、どんな対応をしても、後悔は必ず残ると思います。
どこかで自分を許す事も大事だと知って欲しいと思います。
クッションありがとうございました。後悔と自分を責める日々でしたが、たくさん話しを聞いて頂き(迷惑承知ですみません)、本当に救われました。三浅さんの、「後悔は何をしても残る」という言葉で、どこかで自分を納得させなきゃと思っています。これからは思い出と一緒にクッション大事にしますね。
自分を責めていた日々から立ち直ったきっかけ
このような経験を持ったお客様から、嬉しいお便りが届いています。
様々なきっかけで気持ちが救われたというお客様のエピソードをご紹介します。
愛していたことを思い出せた
まずは私の経験です。
動物施設から里親として受け入れた猫を病気で亡くしました。
愛猫に対してだけではなく施設の方にも申し訳ないと責任を感じていました。
病気の原因はエサで、猫の体質に合わない物を知らずに与えていたようです。
施設の方にお詫びと死亡の報告に行ったとき、次のように言われました。
「マロちゃんはあなたと会えて幸せだった。幸せな暮らしをさせてあげて、ありがとう」
そう言われた時に気持ちが救われた気がしました。
同時に自分がマロをとても愛していた事を思い出しました。
別のお客様のエピソードをご紹介します。
30代女性。
12年一緒に暮らしてきた猫が亡くなって、2ヶ月経ちました。
SNSにペットの死をアップする人もいます。
私もそうする事が出来れば、まだ誰かに話を聞いてもらえたかもしれません。
でも結局誰にも言えず1人で抱え込んでいました。
最初の頃、自分は飼い主の資格はあったのだろうか、あの子は幸せだったのだろうかと自分を責めていました。
生きていた頃は、私にたくさんの幸せをくれる子だと思っていたけれど、私はちゃんとそれを返してあげられていただろうか。
ひどい事を言った事もありました。抜け毛の多いシーズンには近づかないでと言ったり、トイレに失敗したら文句を言ったりしていた自分を思い出してしまい、自己嫌悪になっていました。
一度大きな病気をしました。手術まではしなくても良かったけれど、療養食に変えてエサ代が上がったのにも文句を言っていました。
幸せそうな他人のペットの投稿を見ると、自分を本当にひどい飼い主だと責めてばかりでした。
そんな日々が何日か続いて、いつの間にか欝っぽくなっていたようです。
申し訳ないという気持ちのまま写真の整理もできていなかったのですが、ある日何となくスマホの猫の写真を見ていました。
すると、撮った時のことも全部覚えているし、気に入った写真もあったし、楽しそうに遊んでいる猫が写っていました。
当時の自分はすごく猫を愛していて、大事にしていて、いつもかわいがってあげていた事を思い出しました。
いてもたってもいられず、何枚かの写真でオーダーのメモリアルグッズを作りました。
そのひとつがこちらのクッションでした。
商品が届いた時、すごく嬉しくて、かわいくて、自分がこんなにもあの子のことを好きだったんだと驚きました。
何件かのお店で注文しましたがどのショップでも親身になって対応してもらい、話も聞いてくれて悩んでいるのは自分だけではない事を知りました。
だんだんと、自分を責める事はなくなり、愛情たっぷりで一緒に過ごしていた事を思い出してきて、今ではそれを誇りに思える程になりました。
作ってもらったクッションは、猫がいつも座っていたソファーにおいています。
汚れるから袋に入れたままにしておいたのですが、我慢できずに袋から出し、今は時々撫でたり、抱きしめたりしています。
汚れたらもうひとつ注文しようと思っています!
してあげられなかったことを探すのではなく、
してあげられたことを探す
私自身も、つい先日最愛の猫を見送りました。
病気に気づいてから2か月弱。あっという間でした。
病気に気づけなかった後悔もありますが、もっと抱いてあげればよかった、もっと遊んであげれば良かったという後悔もあります。
この、「もっと○○してあげれば・・・」という言葉。
これは私たちを永遠に苦しめることになります。
私は家族にこう言われました。
「いやいや、あなたはちゃんと遊んであげてたし、毎日膝に乗せてあげていたよ」
そこでハッと気づきました。
自分はあの子をちゃんと愛していた。
あの子と遊んでいた。
それなのに、自分は出来なかったことばかり探しているじゃないか。
出来なかった事を探すのではなく、してあげたことを探そう。
そう思ったら、たくさん見つかりました。
こうやっていつも膝に乗ってくるマロを撫でていた。
マロは良く、膝の上で生活していた。
ケーキを食べるときも、本を読むときも、テレビを見ている時も、マロは膝の上に来ていました。
一緒に遊んだことも思い出せたし、写真も沢山撮った。
皆さんも写真を撮っていると思います。
その写真を見返してみて下さい。
きっと楽しかった思い出がたくさんよみがえってくるでしょう。
楽しかった事を数えてみて下さい。
メモリアルグッズを作ることで救われる
ファンデルワンではペットのメモリアルグッズを作成していて、お客様からペットロスのお話しを伺う事が多いです。
そしてお届け後に、このような言葉を頂きます。
(30代女性、購入商品クッション)
(50代女性、購入商品クッション)
これは私たちも驚きの感想です。
ご注文の際にはペットロスの辛さをお聞きする事もあり、天国からの贈り物と言う気持ちを込めて作品作りをしています。
ペット達の気持ちが皆さんに届いているようで嬉しく思います。
編み物で作るクッション
自分を責める日々から立ち直らせてくれたペットメモリアルグッズ
メモリアルグッズがきっかけで、自分を責めていた日々から立ち直ったというお礼のメールを頂くこともあります。
私たちの仕事は単にクッションやひざ掛けを作る事ではなく、このように人の気持ちを前向きに導くことが出来るものだと感じています(導いているのはペット達です)
ペットロスで自分を責める日々から立ち直らせてくれたペットメモリアルグッズ
をご覧ください。
写真入りグッズと天国の愛犬からのメッセージ
天国の愛犬からの手紙をプレゼントされ、立ち直れたと言うお客様です。
愛犬を事故で亡くした時、ご友人からワンちゃんの写真で作ったポストカードをプレゼントされたそうです。
その中の一枚に次のようなメッセージが書かれていたそうです。
「あの時は突然飛び出しちゃってごめんね。
ママはちっとも悪く無いからね。
これからはママが事故に合わないよう、僕がお空から見守ってるね」
このメッセージを読み、友人が自分を元気付けてくれようとしている事に気付き、そしてワンちゃんの優しい性格を思い出し、オリジナルグッズを少しずつ集めるようになったそうです。
頂いたプレゼントで天国のペットに会えた気がした
50代女性からの投稿。
先日、友人がこちらのクッションをプレゼントして下さいました。
愛犬の誕生日にはプレゼントを贈り合う仲でしたが、先月愛犬が空に登ったことで、特別に作ってくれたそうです。
受け取った瞬間、あの子への感情が一気にあふれ目からポロポロと涙が流れました。
しばらく涙を止めることが出来ませんでした。
最後が辛い別れでしたので事実を受け入れることができずにいましたが、クッションを頂いた瞬間、ウチの子にまた会えた気持ちになり、言葉にならない幸せを感じる事が出来ました。
自分を責める日々が続いていましたが、それからは幸せな気持ちで暮らせています。
素敵な物を作ってくださりありがとうございました。
私たちの仕事
私たちはペットのお写真からメモリアルグッズを作っています。
お届け後には、
「あの子が帰ってきてくれたようだ」
「また会えた気がした」
と言われる時があります。
そんな時は、今まで泣いてばかりいましたが、これからは頑張れそうですと言って頂けます。
私たちの作品が少しでも皆様の元気の元になれれば幸いです。
関連記事:ペットの死を自分の責任だと感じている家族や友達を救ってあげる方法
飼い主失格なんて思わないでね
皆さんどうか自分を責めないで下さい。
愛していたからこそ様々な後悔があるのかもしれませんが、自分を責めていると亡くなったペットたちは安心して天国へ行けれないかもしれません。
どうして泣いてるの?
僕は今から天国へ行くのに、行っちゃダメなの?
僕が何か悪いことしたから?
そんな風に思っていたとしたら・・・。
私も飼っている猫が病気にかかる度に、もっと早く気付いてあげられたら良かったと感じます。
ペット達は、自分の病気や怪我を飼い主に気付かれないように隠して暮らしているそうです。
もしかしたらひとりで留守番している時は傷口を舐めたり、いつもよりじっとしていて動かなかったりと、何か兆候が見られたかもしれません。でもご主人様と一緒にいる時は楽しくて走り回り、元気に振舞っていた事でしょう。
気付かなかったのはお互いに相手を大切にしていたからだと思います。
病気に気付くのが遅かったとしても、病院にいくのが遅かったとしても、それまでにいっぱい愛してあげていたでしょう。
最期の時に一緒にいられなかったとしても、それまでにずっと一緒にいてあげていたでしょう。
だから、後悔しないで。無事に天国に行けるよう、優しい気持ちで見送ってあげましょう。
飼い主失格
2020年7月、我が家の猫が亡くなりました。
この写真は亡くなる前日に撮ったものです。
病気に気づいてから2か月の闘病の末、あっという間でした。
もっと早く気づくことが出来たら・・・
もっと高額な治療費を払うことが出来たら・・・
自分は飼い主としてどうなんだろう?
他の人に飼われた方が幸せだったのではないか?
など、色々と悩みました。
しかし、こうも思いました。
『他の誰かに飼われるなんて嫌だ。あの子に出会えたことを心から幸せに思っている。』
自分より幸せにしてあげられる飼い主さんはいたかもしれません。
でも、私はあの子を手放したくない。
皆さんも同じではないでしょうか。
それなら、世界一の飼い主と言えるでしょう。
お見送りは笑顔で
こんな話を聞いたことがあります。
病気で苦しんでいる一匹の犬。
その犬は高齢のご主人さまの事が心配で、ずっと頑張って生きていました。
ご老人も出来る限りの事をし、
『頑張って生きるんだぞ、一日でもいいから長生きしてくれ。』
と、愛犬を励ましていました。
しかし、苦しむ愛犬を見て、ある日、こう話してやったそうです。
「天国はね、とても楽しいところだよ。
広い野原で思いっきり走り、お友達もたくさんいて、美味しいご飯をたくさん食べられる。
おまえの大好きなボール遊びも川泳ぎも、好きなだけできるんだよ。」
その夜、苦しんでいた愛犬は優しい顔になり、すーっと息を引き取ったそうです。
自分を責めている方は、ペットへの愛情にあふれている方々だと思います。
優しいゆえに、愛あふれる故に、苦しむのかもしれません。
自分を責めるのではなく、天国に旅立つペットたちを笑顔で見送ってあげましょう。
そのほうがペットたちも喜んでくれると思うのです。